家族に支度金目当てで売られた令嬢ですが、成り上がり伯爵に溺愛されました
「お姉様、やってくれたわね。」

その声には、嫉妬と苛立ちが滲んでいた。

「何を?」

私が静かに問い返すと、ルシアは私の全身を睨むように見て、吐き捨てるように言った。

「そんなドレス着て……宝石もたくさんつけて……まるでお姉様は、皇太子妃にでもなったおつもり?」

その目は、怒りとも悲しみともつかない、複雑な感情を湛えていた。恨みのこもった視線が、鋭く私を突き刺す。

「私がどれだけ努力して、ようやくこの世界に立てたと思ってるの……?」

――何が、彼女をここまで追い詰めたのか。

私は返す言葉を探しながら、ただ妹の揺れる瞳を見つめた。姉妹である私達の間に、いつの間にか深い亀裂が生まれていたのだ。
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