家族に支度金目当てで売られた令嬢ですが、成り上がり伯爵に溺愛されました
私は、作り笑顔を浮かべた。

「実はね、婚約が決まったの。」

ルシアはぱっと顔を輝かせる。

「本当に?おめでとう、お姉様! お相手はどなた?」

そのまっすぐな祝福の言葉が、皮肉のように胸に刺さる。

「……セドリック・グレイバーン伯爵よ。」

一瞬、ルシアの動きが止まった。

それから笑いをこらえるように唇を押さえる。


「あの伯爵?成り上がりの?」

私はうつむいた。

「ええ。」

「まあ……そういうのも、時代なのかしらね。」

ルシアはけらけらと笑った。

「でも大丈夫?あの人、お姉様に本当に興味あるの?」

「わからないわ。でも、決まったことなの。」

私の言葉に、ルシアは首をかしげる。

「でも伯爵家って、私の縁談でも断った家だった気がするわ。……あら、ごめんなさい。気にしないでね?」

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