家族に支度金目当てで売られた令嬢ですが、成り上がり伯爵に溺愛されました
「どうしたのですか?」とセドリックが静かに尋ねる。

次の瞬間だった。

「お願いだ、セドリック!」

お父様はまさかの行動に出た。

高貴なエルバリー公爵が、床に膝をつき、頭を下げたのだ。

「……金銭的に援助してくれないか。」

セドリックが固まったまま、私も声を失った。

「ルシアの結婚で、まだ金がかかるんだ。」

お父様は顔を伏せたまま、低い声で続けた。

「エルバリー公爵家の娘が、未婚のままというのは……体が悪い。周囲の目もある。なんとしても、あの子を良家に嫁がせねばならん。」

驚いた。あれほどの騒ぎを起こしたルシアを、まだ公爵家の名を保つために結婚させようとしているなんて……。

親としての情なのか、それとも家の体面を守りたいだけなのか。
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