家族に支度金目当てで売られた令嬢ですが、成り上がり伯爵に溺愛されました
そして舞踏会の日、私は久しぶりにデュラン夫人と再会した。

「お久しぶりです、デュラン夫人。」

そう挨拶をすると、彼女は優雅に微笑んだ。

「クラリス、元気そうね。ますます伯爵夫人らしい顔立ちになったわ。」

周囲の視線が私たちに集まり、二人の親しい仲はすでに社交界でも周知の事実のようだった。

「ところで……ルシアが婚約したんですって?」

「ええ、そうみたいです。」

私は少し言い淀みながら答えた。どうやらデュラン夫人にとっても、ルシアは昔から可愛い公爵令嬢として映っていたらしい。

「噂では、二人は恋人のように仲がいいそうよ。」

「そうですか。」

思わず微笑んでしまった。

皮肉にも、あの妹にもようやく愛を分かち合える相手が現れたというのなら、それは祝福されるべきことなのかもしれない。
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