家族に支度金目当てで売られた令嬢ですが、成り上がり伯爵に溺愛されました
「やはり、あなたは思いやりのある人ね。」

「えっ?」

私はデュラン夫人の言葉に驚いて顔を上げた。

「妹のことを聞いて、心配しているあなたがいるわ。」

――確かに。

あれほど傷つけられ、憎しみを抱いたはずのルシアなのに。

それでも彼女が不幸になることを、私は望んでいなかった。

あの子は、私のたった一人の妹なのだ。

「では、本人から聞くといいわね。」

「本人?」

デュラン夫人が視線を送った先には、優雅に談笑する青年の姿があった。

淡い金髪に端正な顔立ち、そして穏やかな笑みをたたえた彼――。

「彼が、その相手。レオン・カザリス伯爵よ。」

その名を聞いた瞬間、私は言葉を失った。

まさか、この人が……あのルシアの、婚約者?

伯爵という立場だけでなく、その佇まいは王子のような気品すら感じさせた。

――本当に、あの妹と?

私は、胸の奥が不思議な感情でざわめくのを感じていた。







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