家族に支度金目当てで売られた令嬢ですが、成り上がり伯爵に溺愛されました
「私もよ……あなたが私の人生を、変えてくれたの。」

優しく触れる唇、熱を持った指先。

愛おしさに満ちた彼の動きは、どこまでも丁寧で、どこまでも深かった。

肌と肌が重なり、二人の体は一つになった。

輪郭が溶けて、どこまでが私で、どこからがセドリックなのか分からない。

「クラリス……君が欲しい。」

その一言が、身体の奥に火を灯す。

私達は何度も確かめ合った。

言葉よりも深く、触れ合いの中で。

あたたかい熱に包まれながら、私の中にひとつの確信が芽生えていた。

――ああ、これが“家族の始まり”なのだと。
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