家族に支度金目当てで売られた令嬢ですが、成り上がり伯爵に溺愛されました
「やっと孫に会えるのね。長かったわ……」

その言葉に、私は胸が少しざわついた。

そんなに私に子供ができるのを、待っていたのか――。

結婚当初、ずっと期待されていたのだと気づいて、複雑な気持ちがこみあげた。

「あなた、ちゃんと食事はしているの?」

「ええ。助産婦さんからアドバイスをもらっているわ。」

「助産婦?」

「お産専門の方よ。ちゃんと面倒を見てくれてるの。」

私が落ち着いて説明すると、お母様もようやく安心したように頷いた。

「昔とは違うのね。」

お母様はそう言って、はぁっとため息をついた。

その肩はどこか軽くなったようで、張り詰めていたものが解けていく気がした。

「……あーあ。安心したらお腹が空いたわ。」

その言葉と同時に、お母様のお腹がぐぅっと鳴った。
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