家族に支度金目当てで売られた令嬢ですが、成り上がり伯爵に溺愛されました
私は手紙で、実家の両親に子供ができたことを報告した。

すると一週間もしないうちに、あの両親がグレイバーン伯爵家を訪れたのだ。

驚いた。かつて、「公爵家が伯爵家を訪れるなど恥だ」と言っていたあの人たちが、わざわざ屋敷に足を運ぶなんて。

「まあ、クラリス……おめでとう。」

お母様は、目に涙を浮かべて私を抱きしめてきた。

「やっと、夫人としての務めを果たすのね。」

そう言って微笑む母の顔は、どこかほっとしたようだった。

「あなたが、跡取りを産んでくれるなら……エルバリー家としても鼻が高いわ。」

「まだ男の子だって、分かってないわよ。」私は控えめに言った。

「いいえ、きっと男の子よ。」

お母様はどこか自慢げな口調だった。
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