家族に支度金目当てで売られた令嬢ですが、成り上がり伯爵に溺愛されました
私が目を丸くすると、お母様は頬を赤らめて笑った。

「最近思うのよ。質素な生活も、私には合うって。」

少し照れくさそうに言ったその言葉に、私は心から安堵した。

ふと見ると、隣でお父様も微笑んでいる。

「ルシアも、なんだかんだ言って幸せそうだしな。」

「あの子、伯爵夫人として頑張っているみたいよ。」

両親が顔を見合わせて笑い合うその姿に、かつてのギスギスとした空気はもうなかった。

ようやく――エルバリー家にも、遅ればせながら平和が訪れたようだった。

その夜、セドリックは一枚の紙を私に差し出した。

「子供の名前だ。」

手渡された紙には、ずらりと男の子の名前が書かれていた。

「全部、男の子の名前ね。」

思わずそう言うと、セドリックは少し困った顔をして笑った。
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