家族に支度金目当てで売られた令嬢ですが、成り上がり伯爵に溺愛されました
「信じてる。あなたを信じてる。」

「ありがとう。」

ぎゅっと抱きしめられて、私はようやく自分の愚かさも、不安も、涙と一緒に流してしまえた。

「君が望むなら、何度でも証明する。僕の心は、君一人のものだ。」

「うん……私も、あなたのものよ。」

部屋の空気は静かに温かく、愛に包まれていた。

私たちは、改めて互いを確かめ合うように唇を重ねた。

その日の夜は、久しぶりに体を寄せ合って眠った。

セドリックの腕が、私の肩を包むように伸びてくる。

優しく、温かく、どこまでも安心できるその腕の中で、私は小さく息を吐いた。

「セドリック……」

彼はもう眠っているようで、穏やかな寝息を立てていた。

その静かなリズムが、私の胸のざわめきを鎮めてくれる。

私は彼の胸元にそっと額を寄せた。

体温が肌に伝わって、心の奥がじんわりと満たされていく。

「あなたに逢えてよかった……」

声にならないほどの想いが、胸いっぱいに広がった。
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