家族に支度金目当てで売られた令嬢ですが、成り上がり伯爵に溺愛されました
「ええっ?」

私は思わず声を上げてしまった。

まだお腹の中にいるというのに、なんて気が早い話なのだろう。

そんな私の驚きをよそに、エミリアはうっとりと想像している様子。

「ふふ、きっと素敵な子になるわよ。お互いの子供が結ばれたら、私たちもずっと家族ね。」

するとその時、後ろからリリアンがひょっこり顔を出した。

「ちょっと待って。それなら、うちの子の方が先よ。もしクラリスの子が女の子なら、結婚するのはうちの子よ。」

「もう、リリアンったら!」エミリアがぷっと頬をふくらませる。

「私の方が先に言ったのに!」

なんだか、もう孫同士の取り合いでも始まりそうな勢いだ。

私は二人の様子に笑いながら、小さくお腹を撫でた。

――元気に生まれてきてね。

あなたにはもう、お母さんの大切な友達が、たくさんの未来を用意してくれているみたい。
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