家族に支度金目当てで売られた令嬢ですが、成り上がり伯爵に溺愛されました
「どうやらアルバート王子の言う通り、僕は夫人選びを失敗したようだな。」

「な、何ですって⁉」

レオンの冷たい声に、ルシアの顔色が変わった。けれど、彼はさらに続けた。

「僕は今、心底……賢い愛人が欲しくなったよ。」

それだけ言い残して、レオンはくるりと背を向け、晩餐会の賑わいの中へと消えていった。

その場に取り残されたルシアは、完全に孤独になった。

誇りも、見栄も、全て打ち砕かれて。

私はその姿を見つめながら、隣のセドリックの温もりを感じた。

「……僕は夫人選びに成功したな。」

セドリックが微笑みながら私に囁いた。

「クラリスは、間違いなく……聡明で美しい。」

その言葉に、胸がじんと熱くなる。私は幸せだ。

セドリックに出会えて、選ばれて——そして今もこうして、変わらぬ想いを注がれているのだから。
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