家族に支度金目当てで売られた令嬢ですが、成り上がり伯爵に溺愛されました
「仕事は変わるの?」

私はふと、疑問に思ってセドリックに尋ねた。

「変わらないさ。ただ……」

セドリックは少し言い淀んでから続けた。

「ただ?」

「君が前に言ってた、孤児院の支援。正式に始めようと思う。」

「まあ、素敵!」

思わず声が弾んだ。ずっと心にあった願い。

それが、セドリックの力で形になる日が来るなんて。

「僕も、君に触発されたんだ。未来を育てることが、何より大事だと。」

その言葉に、胸が熱くなる。

優しさは、こうして行動に表れるのだと実感した。

「増々、頑張らないとね。」

セドリックはそう言って、そっと私のお腹を撫でた。

「君の願いが、この子の未来にも繋がる。」

新しい命と共に、私たちの想いも動き出している。

家族として、そして誰かの支えになる存在として、歩き出す時が来たのだ。
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