家族に支度金目当てで売られた令嬢ですが、成り上がり伯爵に溺愛されました
しばらくして、リリアンとエミリアが遊びに来てくれた。

お茶を飲みながら他愛のない話に花が咲く。

「そう言えば、あなたの妹さん……」

リリアンが口を濁すように切り出した。

「えっ?何?」

私は思わず身を乗り出した。

なんだか面白い話の予感。

二人は顔を見合わせ、微妙な表情を浮かべる。

「……愛人になっているって話だけど。」

「愛人?」

私は目を丸くした。

まさか、ルシア自身が愛人に?と驚きを隠せない。

「誰の?」

思わず問い詰めるように聞く。

「それが……」

エミリアも言いにくそうにしている。

「お願い、教えて!」

私はもう、気になって仕方がなかった。

「……アルバート王子の。」

リリアンがそっと囁いた。

「ぷっ……ふふっ……あっはははは!」

私は思わず吹き出して、大笑いしてしまった。

あれだけ「王子は不細工だ!」と言っていた妹が、今度は“愛人”になっているなんて! 

人生とは、なんと皮肉に満ちているのだろう。

「ほんと、あの子は毎回予想を超えてくるわ……」

私は笑いすぎて涙が出そうになっていた。
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