家族に支度金目当てで売られた令嬢ですが、成り上がり伯爵に溺愛されました
「冗談じゃないわ! 私は公爵令嬢なのよ!」

ルシアは椅子を蹴る勢いで立ち上がった。

「伯爵夫人の間違いでしょ?」

私は冷静に、でもしっかりと釘を刺した。

「くわーっ!」ルシアは悔しそうに歯を食いしばると、「もういいわ!クラリス!覚えておきなさいよ!」と叫びながら部屋を飛び出して行った。

ドアがバタンと閉まった後、私たちは一瞬の静寂に包まれ、次の瞬間――

「ぷっ……」

「ふふっ……」

「ははははっ!」

セドリックと私は顔を見合わせ、大笑いしてしまった。

「見た?あのルシアの顔。」

私は笑いすぎて涙が出そうだった。

「いやあ……逆に忘れられないよ。」

セドリックも腹を抱えて笑っている。

久しぶりにこんなに笑った気がする。

あれほど手を焼いた妹だったけれど、なんだかんだで、やっぱり彼女の存在は私たちの生活にスパイスを加えてくれるのだ。

「さて、次は何をしでかすかな。」

セドリックのその言葉に、また笑いがこみあげてきた。
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