家族に支度金目当てで売られた令嬢ですが、成り上がり伯爵に溺愛されました
案内された部屋に入ると、広くはないが温かみのある寝室だった。目に入ったのは、大きなベッドが一つ。

「ここがあなたたちの部屋よ。」そう言って微笑んだのは、セドリックのお母様だった。

「ごめんなさいね。公爵家では、お母様も自室をお持ちだったのでしょう?」

その言葉に、私は一瞬返答に迷った。確かに、母には専用の部屋があった。でも、ここが気に入らないわけではない。

「ええ、そうでしたけれど……とても素敵なお部屋です。」

私がそう答えると、お母様は申し訳なさそうに微笑んだ。

「小さな屋敷でごめんなさいね。」

その気遣いが心に沁みて、私は首を振った。

「とんでもないです。あたたかくて、落ち着きます。」

「まあ……それは良かったわ。」

お母様は、まるで本当の母のように優しい目で私を見つめる。そして、ふといたずらっぽく笑ってこう言った。
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