家族に支度金目当てで売られた令嬢ですが、成り上がり伯爵に溺愛されました
それからというもの、私は貴族の子息たちと顔を合わせるのが怖くなった。

目を見れば分かってしまうから――

「この人も私のそばかすを見て、心の中で笑っているのだ」と。

だから私は、目を伏せた。

うつむき加減に話し、言葉も控えめにした。

そうすれば、私の顔をじっと見られずに済むから。

けれど、その態度は彼らに「自信のない、陰気な令嬢」と映ったらしい。

言葉少なで、笑わず、声も小さな私は、次第に「つまらない」「愛想がない」と噂されるようになった。

そうなると、婚約の話が出ても、断られるのは時間の問題だった。

貴族の男たちは皆、表向きは礼儀正しく微笑みながらも、私に興味を示さなかった。

「他にふさわしい令嬢がいる」と、静かに去っていく。

それでも私は、また次の紹介に臨まなければならなかった。

「おまえのためを思って」と言う両親の言葉に、逆らう術を持たなかったから。

本当は、愛されたいと思っていた。

たったひとりでいい、そばかすの私を、美しいと言ってくれる人に――出会いたかった。

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