家族に支度金目当てで売られた令嬢ですが、成り上がり伯爵に溺愛されました
――いかにも、貴族夫人という感じだ。

そばかすのある顔でも、こうして自信を持っていられるのは、きっと彼らの優しさのおかげだ。

屋敷の使用人たちは皆よく教育されていて、誰一人として私を見下すようなことはしない。

むしろ、温かく接してくれている。

――この屋敷では、私は見捨てられた令嬢ではなく、ちゃんと“伯爵夫人”として扱われているのだ。

「豪華ね。」

鏡越しに微笑むと、マリーナは嬉しそうに頷いた。

「はい、今夫人方の間ではやっている髪型です。とてもお似合いですよ。」

彼女の手を借りてドレスを整えると、私はゆっくりとダイニングへと足を運んだ。

そこにはすでに朝の支度を終えたセドリックが、椅子に腰かけて新聞を手にしていた。

「おはようございます。」
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