家族に支度金目当てで売られた令嬢ですが、成り上がり伯爵に溺愛されました
「街のはずれにね。小さな孤児院があるんだ。でも、支援が行き届かなくて子供たちは困っている。」

セドリックが静かに語る声には、どこか痛みがにじんでいた。

「それなら寄付を募ったら?」

私は彼の隣で上体を起こし、真剣に提案した。

「子供たちのためなら、皆もお金を出してくれるはずよ。少しずつでも、それが集まれば大きな力になると思うの。」

セドリックは一瞬考え込むように視線を落とした後、ふっと微笑んだ。

「そうか。それを孤児院の支援に当てればいいんだな。いいアイデアだ。」

「広場で市を開いて、そこで募金箱を設けたり、支援の呼びかけをするのもいいかもしれない。」

「君は……本当にすごい人だな。」

そう言ってセドリックは、そっと私を抱き寄せた。

「クラリス、ありがとう。君と一緒なら、この街はもっと良くなる気がする。」

彼の言葉が、胸の奥に温かく響いた。

私はこの家で、ようやく自分の役割を見つけられたような気がしていた。
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