家族に支度金目当てで売られた令嬢ですが、成り上がり伯爵に溺愛されました
「セドリック……」
私は、ベッドで静かに彼に話しかけた。

「何だい?」

「私、図書室で学んだことで……孤児院のことが気になっているの。街のことを調べていたら、恵まれない子供たちが多いって知って……放っておけない気持ちになったの。」

少しの沈黙が流れる。

父の言葉が頭をよぎった。

『でしゃばるなよ。女は男の後ろを歩け。』

けれど私は、セドリックにどうしても聞いてほしかった。

「勝手なことを言ってるのかもしれない。でも、もし許されるのなら、何か支援ができないかって……考えているの。」

私は不安で、彼の顔を見ることができなかった。

けれど、次の瞬間――

「いいね。ちょうど僕もそれを考えていたところだ。」

彼の言葉は、私の迷いを一瞬で晴らしてくれた。







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