家族に支度金目当てで売られた令嬢ですが、成り上がり伯爵に溺愛されました
「私は、もうみんなと身分が違うと思うの。」

口にしてしまってから、その言葉の重たさに自分でも驚いた。

応接室の静寂に、その声だけがぽつりと落ちた。

「どうしてそう思うの?」

エミリアは紅茶を一口啜ったあと、優しく問い返してきた。

「みんなは、公爵夫人でしょう。でも私は……成り上がりの伯爵家。たとえセドリックが立派でも、私自身が見劣りしているように思えて……」

エミリアは、ゆっくりとカップを置くと、私の手にそっと自分の手を重ねた。

「関係ないわ。」

その声は、心の奥まで響いた。

「身分や肩書きなんて、結婚の形で変わるものよ。問題は、あなたがどう生きるか。クラリス、あなたは今、とても美しくて、芯のある女性になった。私が知っている中で、誇り高き夫人の一人よ。」

私は思わず、目を伏せて微笑んだ。
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