セフ彼柊くんと本気の恋
でも、亜衣子さんも綾子さんと同じように僕を捨てないとは限らない
僕は亜衣子さんの反応を見て面白がった
やばい、僕ってSっ気あったんだ
綾子さんといる時はどちらかと言うとMだったのに
綾子さんはSな方だったから、僕は必然的にMだった
僕は自分の中にある意外な面を見つけて驚いた

「拾ってくれたお礼に亜衣子さんの望むことをしてあげる」
なんて言うだろう?
僕は何て言われたいんだろう?
僕の身体以外を求めてくれないかな?

「それなら、キスして」
やっぱり要求は身体なんだ
僕は少しがっかりした
何を望んで欲しかったんだろう?
心とか?
僕には身体以外価値がないのかな?
誰も僕の心を求めてくれないのかな?

「いいよ」
僕達はキスを重ねた
何度も何度もキスをして、僕は止まらなくなった

「してもいい?」
亜衣子さんはコクっと頷き、僕達は関係を持った

亜衣子さんはベットの中でも優しくて、受け身で、僕は優しさに包まれるってこういうことなんだろうなと思った

行為が終わり、僕は亜衣子さんが寝ているうちマンションを出た

綾子さんと付き合ってた時も、朝まで一緒にいた事はない
行為が終わったら去って行くのが綾子さんと僕のルールだった
綾子さんは僕に甘いムスクの香水をプレゼントした
僕はその香水を今もつけていた

「さようなら。優しい亜衣子さん」
寝ている亜衣子さんの頬にキスをして、僕は部屋を出た
もう亜衣子さんには会わないつもりだった

でも何となく後ろ髪が引かれるのは何でだろう?
僕はその気持ちを打ち消すかのように部屋を出た
< 39 / 78 >

この作品をシェア

pagetop