突然、課長と秘密の関係になりました
 


「あのあと、そんな話をしてたのか。
 何故、俺を呼ばない」

 いや……混ざりたかったのか、と一彩は背後に立つ彰宏を見た。

 今日の夕食は一彩の担当なのだが、彰宏が手伝ってくれている。

 ……いや、口を出している。

 うむ。
 手際のいいサポートは嬉しいのだが、めちゃめちゃ口を出してくる。

「なんで、切り方バラバラなんだ?
 味のしみ方が変わるだろうが」

「そこは冷凍野菜か。
 手抜きか?」

 ……包丁を持っている相手に無防備に文句を言ってくるとは、と思いながら、一彩は彰宏がきっちり研いでいる包丁で鶏肉を切っていた。

「今日は筑前煮か」

「はい。
 まあ、私はあまり好きではないのですが」

「じゃあ、何故、作った?」
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