突然、課長と秘密の関係になりました
「そのくらい親が料理作ってくれるのが珍しかったから。

 学生時代、友だちに可哀想とかよく言われてたけど。

 母親はあんなだし、父親もこんなだし。
 隠し子だし」

 昴は、父親もこんなだしと言われて、ちょっとショックを受けているようだった。

 だが、浩司はスマホから顔を上げて言った。

「でも、僕は楽しいよ。
 自分の人生、楽しい方だと思ってるよ。

 そもそも、まともな家族ってそんなにないよね
 っていうかさ、まともな家族ってなに?

 可哀想って言った友だちへの批判じゃなくて、本当にただ疑問なだけなんだけどさ。

 ああ、でもまあ、確かに、母親と暮らしてたころより、今の方が楽しいかな」

 今の家族が一番楽しいかも、と言われて、みんなちょっと嬉しそうな顔をした。

 もちろん、私もだ、と一彩は思う。

 誰と誰が血がつながっているのかよくわからない家族だが、前より楽しい気がすると。
 





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