突然、課長と秘密の関係になりました
 



 さっきのお好み焼き屋からちょっと離れた場所にあるそのお店は、まだ新しかった。

 衝立で各テーブルごとに仕切られていて、ちょっと個室感がある。

 まだお好み焼きののっていない、あったまった鉄板を彰宏は何故か、じっと見つめている。

「そういえば、さっきなに考えてたんですか?」

 そう一彩が訊くと、彰宏は顔を上げた。

「いや、会社で、私に『南』って呼びかけたあと、黙ったじゃないですか」

「いや、お前、もうすぐ南じゃなくなるんだなと思って。
 なんかしんみりしたんだ」

「なんで私じゃなくて、課長がしんみりするんですか」
< 51 / 295 >

この作品をシェア

pagetop