突然、課長と秘密の関係になりました
「じゃあ、課長のお好み焼きの、このマヨネーズをかけたところは私のもの」

「マヨネーズはがせばいいだろうが」

「冗談ですよ……」
と言いながら、できるだけマヨネーズをとってあげ、ソースをかけ直してあげた。

 すると、彰宏は、
「うん。
 結構いけるな」
と言う。

「でしょう?
 なんかあれですよ。

 今まで家族じゃなかった人と暮らすと、いろいろ好みや生活習慣の違いとかあって、ぶつかり合ったりして――」

 一彩は遠くを見るように、壁の短冊メニューを見た。

「そこから新しい味の発見があったりするんでしょうね」

「……いや、その話、そこに落ち着くのか」
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