突然、課長と秘密の関係になりました


「別に、お前の親は別に嫌いじゃないが。
 家に帰るとお前がいるの、不自然だな」

 一彩がそんな話をする彰宏と会計をしているとき、近くの衝立で身を潜めていた者がいた。

 一彩の同期の黒須だ。

 彼らも一彩たち同様、猫のいるお好み焼き屋に行ったのだが、席がなく、この店に来ていた。

 そもそも、以前、一彩がこの店の食レポを彼らの前でしていた。

「あの二人、怪しいな。
 こんな会社から離れた店に、こそこそ来てるだなんてっ」
と言う黒須に、同じく同期の浅村が言う。

「俺たちも来てるじゃないか。
 なんか仕事の帰りとかじゃね?

 なにもロマンティックな雰囲気伝わってこねえぞ。
 話聞こえないけど、マヨネーズで揉めてるみたいだし」
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