扇情的ナミダ
俺に反論しても無駄だと思ったのか、何を考えて言いたい事を呑み込んだのだろうか。
少しの不安があるのに、俺は自己中心的な願望を押し付け、思うが儘に触れる。
頬を撫でて、額に軽い口づけ。
そこから鼻筋に沿う様に唇を移動させる。
首の角度を変え、視線を合わせて様子見。
すると彼女は察したのか、目を閉じ気味にした。
思わず笑みが漏れ、了承を得たので思う存分のキス。
触れるように重ね、何度か繰り返して深くしていく。
もっと手に入れたいのに。
「留惟、どうして気づかない振りするの?本当は分かってるんだよね、俺の気持ち。」
女性の柔らかさで俺を受け入れながら、身構えた体は俺の心を拒絶する。
「ごめんなさい、これが私の限界なの。」