嫁いだ以上妻の役目は果たしますが、愛さなくて結構です!~なのに鉄壁外科医は溺愛を容赦しない~
やがて、紘生の喉仏がごくりと上下した。
「確かに、食べられなくはないな。というか、レシピを見れば失敗しないはずだが」
「母が料理は感覚。難しく考えずに目分量で覚えていけと」
ついでに、前の美七はそうやって覚えていたしできるわよ、と言われた。
「それはできる人間の感覚だ。できる人間は経験を重ねて慣れている。初心者や料理が苦手な場合、レシピを見てやった方が効率的だろう」
紘生は話しながら冷蔵庫内の食材を確認し、スラックスのポケットからスマホを取り出した。
慣れた手つきであっという間に表示させたのはレシピサイトだ。
「この手順通りに作ってみるといい」
「わかりました」
言われた通り、レシピを見ながら食材をカットし、調味料を加えていく。
「紘生さんは、料理は得意ですか?」
「いや、特には。それに、調理する時間があるなら──」
「学びや仕事に時間を費やしたい」
菜箸を動かしつつ、少し大きめの声で遮って続きを口にする。
でしょ?という目で小首を傾げると、紘生がふっと目尻を下げた。
「その通りだ。さすが俺の妻だな。そんな理解ある妻にひとつ頼みがある」
「なんでしょう?」
美七は、レシピの説明を確認しながら声だけで問う。
「夫婦は対等な立場だ。今後、俺には敬語を使わなくていい」
言われて初めて、ああそうかと納得した。
確かに、美七の母は父に対して敬語を使っていない。
ただ、前世では王太子に対して敬語だったので、夫にはそう接するべきだと勝手に思い込んでいた。
「確かに、食べられなくはないな。というか、レシピを見れば失敗しないはずだが」
「母が料理は感覚。難しく考えずに目分量で覚えていけと」
ついでに、前の美七はそうやって覚えていたしできるわよ、と言われた。
「それはできる人間の感覚だ。できる人間は経験を重ねて慣れている。初心者や料理が苦手な場合、レシピを見てやった方が効率的だろう」
紘生は話しながら冷蔵庫内の食材を確認し、スラックスのポケットからスマホを取り出した。
慣れた手つきであっという間に表示させたのはレシピサイトだ。
「この手順通りに作ってみるといい」
「わかりました」
言われた通り、レシピを見ながら食材をカットし、調味料を加えていく。
「紘生さんは、料理は得意ですか?」
「いや、特には。それに、調理する時間があるなら──」
「学びや仕事に時間を費やしたい」
菜箸を動かしつつ、少し大きめの声で遮って続きを口にする。
でしょ?という目で小首を傾げると、紘生がふっと目尻を下げた。
「その通りだ。さすが俺の妻だな。そんな理解ある妻にひとつ頼みがある」
「なんでしょう?」
美七は、レシピの説明を確認しながら声だけで問う。
「夫婦は対等な立場だ。今後、俺には敬語を使わなくていい」
言われて初めて、ああそうかと納得した。
確かに、美七の母は父に対して敬語を使っていない。
ただ、前世では王太子に対して敬語だったので、夫にはそう接するべきだと勝手に思い込んでいた。