推しにガチ恋ってアリですか⁉︎
クスクス、と笑われた後に「俺は嬉しかったからいいよ」と謎のフォローを頂いた。
それからフワリと彼の腕が回って。
「じゃあ改めて」
「……っ!」
ギュッと、抱き寄せられた。
そのまま幸せに浸っていると、あることを思い出してサッと血の気が引いた。
「た……高峰くん、そろそろやめなきゃっ」
「は?」
一瞬彼の声かと疑ったほどの暗い声に驚きつつ、頑張って離れる。
「あの、同じ学校の子通るかもだし……誤解されちゃうから……ね?」
「あぁ……そっか、誤解ね」
ため息と共に出された言葉。
そして、フワリとした笑みを浮かべて。
「俺は誤解されてもいいんだけど」
「え……?」
気のせいだろうか。
そう呟いた彼の顔に浮かんでいたのが、いつもの笑みではないように見えたのは──。