推しにガチ恋ってアリですか⁉︎



妖精たちは悲しみながらも城全体に魔法をかけ、そこにいた人々を全員眠りに落とした。

一方そのころ王子は一足先に悪い魔女がいる城の牢獄の中へ。

慌てて飛んできた妖精に剣と盾を与えられ、城から抜け出すことに成功。

一目散に姫を助けに向かい、襲いかかる数々の試練や魔女との戦いにも打ち勝ち。



「姫……」



そっと、姫に口付けをした。

そこかしこで上がる悲鳴。
フリだと分かっていても少し胸が痛くなるのは、なぜ?

パチリと目が開く姫、彼女を抱き抱える王子。

互いに愛おしそうに視線を絡ませる、──十六夜さんと高峰くん──。

あれ、なんで?

演技のはずなのに。

苦しい、痛い、寂しい、悲しい。
この感情は何?どうして顔を上げられないの?



「瑠亜……?大丈夫?終わったわよ」



気づけばエンディングも終わり、幕が閉じていたんだ。


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