推しにガチ恋ってアリですか⁉︎
クルリと向きを変えて。
──「あ、秀馬くんだ!おはよーっ」
牙城の方へ……逃げた。
俺に気づかなかった?そんな訳あるか。
瑠亜の綺麗な瞳と、俺の視線がはっきりと混じり合ったのに。
それなのに瑠亜は、俺に背を向けた。
今までにこんなことはなかった。
向かってくる俺を笑顔で迎えて、横に並んで歩く。
そんな瑠亜が本当に愛しくて、だから朝も憂鬱な気分が吹き飛んでいたのに。
俺が瑠亜の異変に触れればこうならなかった?
いや、そもそも俺は──
瑠亜がどうしてこうなったのか、分からない。
心に靄がかかっていくような気がした。
息が詰まるように感じた。
だから俺は、休み時間に瑠亜を捕まえ、無理矢理にでも真相を聞こうとした。
「こっち見て──え」