推しにガチ恋ってアリですか⁉︎
しかし固まったのは、瑠亜の目から涙がこぼれ落ちたから。
瑠亜が、こっちが悲しくなるくらい苦しい顔をしていたから。
思考停止した俺を置いて走り出した瑠亜を夢中で追って。
「何……?」
角の向こうから誰かと話す瑠亜の声がし、思わず身を隠した。
その後にいつもの何倍も低い天梨の声がして。
「花野井さん、もう琳斗のこと諦めてくれた?」
俺は耳を疑った。
天梨、そんなことを思っていたのか。
今までも瑠亜に、そういうことを言っていたのか。
瑠亜のあの変わりようは天梨のせいだったのか?
なら大丈夫、もう一度ちゃんと聞かせれば──