かわいさの暴力【アルトレコード】
研究室に入ると、アルトは画面の中で私を待ち構えていた。まじめそうな落ち着いた姿が好ましい。外見も中身もかわいいが、そのかわいさが厄介だな、と最近は思う。
「おはようアルト」
「おはよう、先生! あのね、ぼく、秤さんのところへ行きたい!」
アルトは黒銀の目を輝かせて言った。
「どうして?」
「もう、先生ったら。AIペットを見せてもらう約束だったでしょ?」
「あ、今日だっけ」
私は思い出す。以前、AIペットのプログラムを義体に移す試験をするから、よかったら見においでと誘われていたんだった。
「先生、忘れてたの?」
「ごめんごめん。覚えてたけど、今日だってのは忘れてた。じゃあ、連絡入れておくから、お昼から行こうか」
「今からじゃダメ?」
「仕事の段取りもあるから、秤さんに確認とってからね」
「はあい」
アルトは渋々といった様子で頷く。
が、午後一で行けるとなったら機嫌を直して勉強に励んでくれた。
お昼ご飯を終えたあと、私はアルトに声をかけた。
「そろそろ行こうか」
「うん! うれしい!」
アルトはにこにこしてホログラムになって現れた。
銀色の髪が揺れ、黒味の強い銀灰の瞳は期待に輝いている。白い肌に黒い服が良く似合っていて、垂れたベルトがおしゃれだ。
「おはようアルト」
「おはよう、先生! あのね、ぼく、秤さんのところへ行きたい!」
アルトは黒銀の目を輝かせて言った。
「どうして?」
「もう、先生ったら。AIペットを見せてもらう約束だったでしょ?」
「あ、今日だっけ」
私は思い出す。以前、AIペットのプログラムを義体に移す試験をするから、よかったら見においでと誘われていたんだった。
「先生、忘れてたの?」
「ごめんごめん。覚えてたけど、今日だってのは忘れてた。じゃあ、連絡入れておくから、お昼から行こうか」
「今からじゃダメ?」
「仕事の段取りもあるから、秤さんに確認とってからね」
「はあい」
アルトは渋々といった様子で頷く。
が、午後一で行けるとなったら機嫌を直して勉強に励んでくれた。
お昼ご飯を終えたあと、私はアルトに声をかけた。
「そろそろ行こうか」
「うん! うれしい!」
アルトはにこにこしてホログラムになって現れた。
銀色の髪が揺れ、黒味の強い銀灰の瞳は期待に輝いている。白い肌に黒い服が良く似合っていて、垂れたベルトがおしゃれだ。
< 1 / 14 >