かおる、アルトの小さな謎に迫る【アルトレコード】
 事件が解決した後、かおるにはひとつの疑問が生じていた。
「気になる……」
 たぶん、誰も気にしていない、些細なことだ。
 だけど一度気になると、気になって仕方がない。

 アルトたちのことだが、彼ら自身も気付いてないかもしれない。気づいてはいても、気にしてないかもしれない。理由なんて本人たちにもわからないだろう。
「ああ、でも気になる!」
 誰もいない研究室で、かおるは頭を抱える。

 こうなったら。
 かおるは覚悟を決めた。
 明日の朝、アルトが揃ったときに聞いてみよう。
 そう決めて、その日は仕事に邁進(まいしん)した。



 翌朝、ニュータイプ研究室に出勤したかおるは、勢ぞろいしたアルトに声をかけた。
「ねえ、アルトたちに聞いてみたいことがあるんだけど」

「なに?」
「なんだよ」
「なんだろう」
「なあに?」
 明るいアルト、ツンデレアルト、クールなアルト、甘えん坊なアルト。それぞれが返事をしてくれる。

「みんなの服、ベルトだらけだよね。どうしてだろう」
 私の疑問に、アルトたちはきょとんとした。
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