かおる、アルトの小さな謎に迫る【アルトレコード】
「そういえばそうだ」
「……んだよ、しょうもないこと」
「先生も気付いていたか」
「ん~、かわいいからいいんじゃない?」
 それぞれ、反応が帰って来る。

「なんでだか知ってる?」

「知らないなあ」
「知らねーよ」
「考察はしたが、結論は出てないな」
「かわいいからいいの」
 まったく答えがわからずに、私は首をひねる。

「少年のときにもベルトはあったけど、一本だったよね? 幼年期はなかったような……」

「先生、おもしろいこと考えるね」
「くっだらねーな」
「ふむ……成長とベルトに関連が? 興味深い」
「かわいくなったからオッケー! ほら、振り回して遊べるよ」
 甘えん坊なアルトがベルトを持って振り回す。ああ、少年期にもやってたなあ、となんだか懐かしくなる。

「二刀流~」
 二本を両手で持って振り回し、「やめろよ、人に当たるだろ」とツンデレなアルトに怒られれてシュンとする。
「せんせえ~。怒られた~」
「今のはお行儀が悪いアルトが悪いよ」
 注意すると、彼はしゅんと落ち込む。

「で、結局、ベルトの意味はわからず、かあ……」
 うーん、と私がうなったとき、しゅっと扉が開いて北斗さんが入って来た。
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