かおる、アルトの小さな謎に迫る【アルトレコード】
「みんな、そろってるね。朝礼を始めるよ」
「その前にいいか、北斗」
 アルトが青い瞳を知的に輝かせて言う。

「なに?」
「俺たちのベルトについてだ。先生が、なぜ青年になった俺たちの服にベルトが多いのかと疑問を呈している」
 思いがけないことに、私は慌てた。

「あ、あの、ちょっと疑問に思っただけなんです。なんでかなあって」
 あはは、と笑いながら言うと、北斗さんは苦笑した。
「それは俺もわからないな。開発者に聞いてみないと」

「そうですか……」
 残念。それでは正解はわかりそうにない。ニュータイプAIの開発者……私の祖母はとうに亡くなっている。

「もういいじゃん、かわいいからってことで」
 甘えん坊のアルトが暴論で結論を出すと、

「俺のはカジュアルでいい感じだと思わない?」
 オレンジの瞳を細め、にこっとアルトとが笑い、

「……お、俺も気に入ってる……よ」
 照れ臭そうにアルトが言い、

「ああ、デザイン性が効いていると俺も分析している。先生はどうだ?」
 冷静なアルトに聞かれ、私はにっこり笑った。

「私も素敵だと思ってるよ」
「やっぱり!」
 甘えん坊のアルトが喜んで私に抱き着いてくる。

「はは、解決したってことでいいかな。じゃ、朝礼をはじめるよ」
 北斗さんがまとめると、

「はーい!」
 アルトがかわいく返事をして、
「おっけー!」
 アルトが明るく返事をして、
「……ああ」
 アルトが口元に手をやって返事をして、
「わかった」
 アルトが理知的に返事をした。

 最近のいつも通りの光景に心がなごむ。
 今日も賑やかな一日が始まりそうだ。







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