執愛懐妊婚~内緒でママになるはずが、次期社長は滾る愛で囲い娶る~
晶子にそう告げたのだけれど、彼女の顔は未だに冴えない。
「ねぇ、幹太くんに相談した方がいいんじゃない?」
以前、晶子に相談したときにも同じことを言われたが、それを拒否する。
困ったように眉尻を下げる彼女を見て、雫は手を合わせてお願いをした。
「お願いだから、幹太くんには言わないで!」
「雫……」
晶子の表情が曇る。雫を心配してくれているのは痛いほど伝わってくるが、この件に関してはどうしても折れる訳にはいかない。
幹太はとても忙しい人だ。そうでなくてもいつも雫のこと、そして母のことまで気にかけてくれている。
それなのに、これ以上迷惑をかけたくはない。
「お願い、晶子ちゃん」
必死にお願いをすると、彼女は深く息を吐き出した。
「わかった」
「晶子ちゃん!」
目を輝かせると、晶子は表情を固くして忠告をしてくる。
「でもね、雫の話を聞いている限り、その男の人の行動は度を超えている気がするわ。十分気をつけるのよ」
「わかった」
深く頷いて約束すると、それを見て少しだけ安堵してくれたようだ。
彼女はスマホで時間を確認し、腰を上げた。