執愛懐妊婚~内緒でママになるはずが、次期社長は滾る愛で囲い娶る~
十五時からの会議が終了して立ち上がったとき、立ちくらみが起きてしまったという。
念のためということで医務室で熱を測ったところ、三十九度の高熱が出ていることが判明したらしい。
そのあと近くのクリニックで診てもらったところ、風邪だと診断されたという。
酷く疲れている様子の彼を見て、過労が引き金だろうと言っていたようだ。
やはり雫のことで彼に負担を強いてしまったのが原因だろう。それがわかっている雫は、自己嫌悪に陥る。
スマホを持つ手に力が入っていると、晶子はどこか歯切れ悪い様子で話を続けた。
『今、幹太くんは自分のマンションに戻ったらしいんだけど……』
「晶子ちゃん?」
『あのね、雫。心して聞いてほしいんだけど――』
前置きをしたあと、晶子は意を決したように続けた。
『幹太くんに付き添ったのが、第二秘書の女性らしいのよ』
「え……?」
きっと真亜子のことだろう。先日のやり取りが脳裏を過ぎり、不安に押しつぶされそうになる。
あのときのことを思い出していると、晶子はため息をつく。
『佐合真亜子っていう女の人なんだけど。ちょっと強烈な人というか、曲者でね』
「曲者?」