組長様は孤独なお姫様を寵愛したい。
「ねぇ聞いた?姫木 茉白のウワサ。」


「え、聞いた聞いた。親に売られたって話でしょ?」


「そうそう!やばいよね〜、地味すぎて存在感無いし、親にも愛想尽かされたんじゃない?」




学校というものは人の噂が回るのがとにかく早い。

その噂の正確性は五分五分。



今回のウワサ______________私、姫木 茉白に関するウワサは


正解だ。



…ほんとにどこから情報が回ってるんだろう。

私には自分のことを言う友達も居ないから私が誰かに言わない限り広まることは無いと思ったのに。




「はぁ、もう疲れたな。」




ポツリと呟いた言葉は私の心とは似ても似つかない程の満点の青空にあっという間に吸い込まれた。



……親に売られたって、漫画や小説の世界でしか見ないと思ってたけど実際になることあるんだ。

最後まで私はあの人たちの "道具" に過ぎなかったんだ。



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