組長様は孤独なお姫様を寵愛したい。
私の両親は元々起業家でかなり裕福な家庭の中で私と、もう一人_______妹の若菜が生まれた。


私は元々両親の跡を継ぐために、必死に必死に勉強して、友達を作ることさえも許されなかった。

一方で若菜は愛嬌があって、可愛らしくて、まるでお姫様みたいで

常にお父さんとお母さんから "愛" を注がれていた。



私がどんなにテストで満点を取ったとしても、平均以上を取れた若菜の方が褒められたり。


だけど今考えればそんなことはまだマシだった。

私たちの家庭は、5年前に両親が多額の借金を抱えて倒産してから完全に崩壊してしまったから。



「おい茉白!!!はやく酒持ってこい!」


真っ暗でお酒が散らばった部屋で、毎日のように飛び交う罵声の数々。

もっと機嫌が悪い時は見えないところを殴られたり、蹴られたりすることもあった。



それも全部、



私だけに。






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