組長様は孤独なお姫様を寵愛したい。
でも、若菜も女の子だからお父さんほどの痣は残らない。
暫くすれば、いつかは消えるだろう。
ただ、力が強いお父さんの傷はどうしても長く残り続けている。
この傷を見る度に、苦しい気持ちが蘇る。
…でも、もう居ないから。あの人たちは。
橘さんにも、いつ見限られて捨てられちゃうか分からないけど、それまでは頑張るんだ。
頑張らないと…
そう思いながら、暖かいお湯に浸かり、体を綺麗になれ、という思いを込めながら洗い流す。
新しく頂いた寝間着を身に付けて、再び橘さんが待つ寝室へと向かう。
「…姫木茉白です。入っても大丈夫ですか…?」
と、部屋の前で聞くと、いーよーと軽い返事が聞こえてきた。