その抱擁は、まだ知らない愛のかたち
麻里子の拙いキスを受けとめながら、貴之はそっと主導権を握る。ゆっくりと唇を重ね、深く、何度もキスを繰り返した。重なる吐息と鼓動の高まりの中で、貴之の手が自然と麻里子の背にまわる。

背中のジッパーが静かに下ろされる音に、麻里子の肩がぴくりと震える。ワンピースの上半身部分だけを、ゆっくりと腰まで下ろされると、上品ながらどこか艶めいたブラが姿を現した。

貴之の視線が、釘付けになる。

「……」

麻里子は恥ずかしさに身を捩る。けれど、濡れたように潤んだその瞳が、かえって貴之の理性を煽った。

「誰が中学生だって? 冗談じゃない」

低く熱のこもった声で囁く。

「どう見たって、大人の女にしか似合わない。これを見て、俺が平静でいられると思うか?」

愛しさが滲む手が、麻里子の肌を確かめるように撫でていく。焦らすように、でもどこまでも丁寧に。貴之の指先は、彼女がこれまで知らなかった官能の扉を、ひとつひとつ優しく開いていった。

麻里子の肌は、初夏の光を受けた陶器のように繊細で、触れるたびに微かに震える。貴之の手は決して急がない。むしろ、彼女の呼吸に合わせるように、静かに、確かに、愛おしむように彫刻を刻む。

指先が、ブラの繊細なレースをそっと辿る。

「……ここも、美しい」

麻里子は目を伏せたまま、唇を噛みしめた。羞じらいと、どこか甘い疼きが入り混じる表情。肩先にそっと落ちた髪を貴之が指ですくい上げ、うなじにキスを落とす。触れた瞬間、麻里子の背がきゅっと反る。

「や……っ……」

微かな声が零れる。その響きは、貴之の深部に静かに火を灯した。

「怖くない。麻里子、綺麗だ」

胸元に顔を埋めるようにして、そっと唇を滑らせる。肌の温度が少しずつ上がっていくのが、触れていて分かる。指先が、ブラの上からそっと円を描きながら動くたびに、麻里子の身体が小さく反応する。

触れられて、確かに感じている。その反応に、貴之の表情が静かに変わる。

「感じてるんだな……可愛い。ちゃんと教えてくれるんだな、麻里子の身体が」

その言葉に、麻里子は恥ずかしさに顔を伏せたが、拒むそぶりはどこにもなかった。ただ、彼の手の中で、少しずつほぐれていく自分を感じていた。

愛されることが、こんなにも深く、静かな熱を伴うものなのだと—

初めて知る悦びに、麻里子の身体はまるで一輪の花のように、貴之の手の中で、静かに咲き始めていた。

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