その抱擁は、まだ知らない愛のかたち
「そろそろ寝るぞ」
貴之の声に、麻里子はそっとうなずく。
寝間着に着替え、スキンケアを終えた麻里子の手を、貴之がふいに取った。
無言のまま、彼についていく。
—初めて、貴之の部屋で過ごす夜。
ベッドの端に座ると、貴之がゆっくりと彼女に覆いかぶさる。
その視線がまっすぐに注がれて、麻里子は思わず目を閉じた。
そっと落とされたキスは、やさしくて、あたたかくて——
けれどそのまま、長く、深く、ふたりの呼吸を絡めとっていく。
うっとりと瞳を開けた麻里子の唇に、貴之の舌がそっと触れる。
そして、ゆっくりと、愛撫が始まった。
パジャマのボタンを一つひとつ、外していく貴之の手。
ふいに手が止まり、胸元へそっと触れられた。
「……寝るときも、これを?」
彼の手がナイトブラの上に添えられる。
麻里子は少しだけ照れながら答えた。
「うん。ナイトブラって、型崩れを防いでくれるの……」
「そうか」
小さく呟くと、貴之の指がナイトブラの上からそっと形をなぞる。
背中には回さず、ただ前から包み込むように、麻里子の胸元を優しく撫でる。
布越しにも伝わるやわらかさに、彼の指先がほんのわずか震えた。
唇がブラの上から優しく重なる。
まるで大切なものに触れるように、何度も、何度も、布の上からキスを落としていく。
やがて、麻里子の胸の先がナイトブラ越しにぴんと反応し、
それを感じ取った貴之の舌が、そっとそこをなぞった。
「……っ」
麻里子は声にならない息を漏らす。
吐息の熱と、優しい圧がじわりと肌に届いて、背中が無意識に反りかえった。
貴之の手が、ゆっくりと麻里子の下腹部へと降りていく。
服の上からそっと撫でられただけで、敏感なところがきゅっと震えた。
そのまま、パンティの上から、指先で柔らかくなぞられる。
何度も、ゆっくりと、優しく──まるで確かめるように繰り返される動き。
「……っ、貴之さん……」
麻里子の声は、かすれ、震えていた。
パンティの縁に指がかかり、やがて、その中へと忍び込む。
直接触れられた瞬間、麻里子の体が小さく跳ねた。
触れたことのない感覚が、体の奥からじわじわと広がっていく。
貴之は決して急がない。
外側をゆっくり、丁寧になぞるように愛撫を重ねていく。
その執拗なやさしさに、麻里子は次第に酔うような心地になっていった。
「あ……いや……」
逃げるように、首を小さく左右に振る。
けれど、貴之の指先は逃がしてくれなかった。
ふいに、指がひとすじ、彼女の中へと沈んでいく。
「んっ……!」
戸惑いと熱が交錯する。
優しく出入りを繰り返す指先に、意識が霞んでいく。
さらにもう一本、指が入るかどうか—その瞬間。
麻里子の体が大きく震え、快感の波が彼女をさらっていった。
声も、意識も、すべてが甘い光に溶けるように。
そのまま、麻里子は貴之の腕の中で、そっと意識を手放した—
「……いったか」
静かに呟き、貴之は麻里子に布団をかけた。
頬に触れる指先に、まだ彼女の熱が残っている。
(……無理はさせたくない)
そう思いながらも、脳裏には先ほどの感触が鮮明によみがえる。
きつくて、けれど、とろけるように柔らかかった—
あの瞬間、理性が吹き飛びかけた。
(……あれは反則だろう)
けれど今は、急ぐときではない。
彼女の心も体も、丁寧に、大切に、ゆっくりと慣らしていく。
焦らず、決して傷つけずに。
そう決めて、貴之は寝室を後にした。
貴之の声に、麻里子はそっとうなずく。
寝間着に着替え、スキンケアを終えた麻里子の手を、貴之がふいに取った。
無言のまま、彼についていく。
—初めて、貴之の部屋で過ごす夜。
ベッドの端に座ると、貴之がゆっくりと彼女に覆いかぶさる。
その視線がまっすぐに注がれて、麻里子は思わず目を閉じた。
そっと落とされたキスは、やさしくて、あたたかくて——
けれどそのまま、長く、深く、ふたりの呼吸を絡めとっていく。
うっとりと瞳を開けた麻里子の唇に、貴之の舌がそっと触れる。
そして、ゆっくりと、愛撫が始まった。
パジャマのボタンを一つひとつ、外していく貴之の手。
ふいに手が止まり、胸元へそっと触れられた。
「……寝るときも、これを?」
彼の手がナイトブラの上に添えられる。
麻里子は少しだけ照れながら答えた。
「うん。ナイトブラって、型崩れを防いでくれるの……」
「そうか」
小さく呟くと、貴之の指がナイトブラの上からそっと形をなぞる。
背中には回さず、ただ前から包み込むように、麻里子の胸元を優しく撫でる。
布越しにも伝わるやわらかさに、彼の指先がほんのわずか震えた。
唇がブラの上から優しく重なる。
まるで大切なものに触れるように、何度も、何度も、布の上からキスを落としていく。
やがて、麻里子の胸の先がナイトブラ越しにぴんと反応し、
それを感じ取った貴之の舌が、そっとそこをなぞった。
「……っ」
麻里子は声にならない息を漏らす。
吐息の熱と、優しい圧がじわりと肌に届いて、背中が無意識に反りかえった。
貴之の手が、ゆっくりと麻里子の下腹部へと降りていく。
服の上からそっと撫でられただけで、敏感なところがきゅっと震えた。
そのまま、パンティの上から、指先で柔らかくなぞられる。
何度も、ゆっくりと、優しく──まるで確かめるように繰り返される動き。
「……っ、貴之さん……」
麻里子の声は、かすれ、震えていた。
パンティの縁に指がかかり、やがて、その中へと忍び込む。
直接触れられた瞬間、麻里子の体が小さく跳ねた。
触れたことのない感覚が、体の奥からじわじわと広がっていく。
貴之は決して急がない。
外側をゆっくり、丁寧になぞるように愛撫を重ねていく。
その執拗なやさしさに、麻里子は次第に酔うような心地になっていった。
「あ……いや……」
逃げるように、首を小さく左右に振る。
けれど、貴之の指先は逃がしてくれなかった。
ふいに、指がひとすじ、彼女の中へと沈んでいく。
「んっ……!」
戸惑いと熱が交錯する。
優しく出入りを繰り返す指先に、意識が霞んでいく。
さらにもう一本、指が入るかどうか—その瞬間。
麻里子の体が大きく震え、快感の波が彼女をさらっていった。
声も、意識も、すべてが甘い光に溶けるように。
そのまま、麻里子は貴之の腕の中で、そっと意識を手放した—
「……いったか」
静かに呟き、貴之は麻里子に布団をかけた。
頬に触れる指先に、まだ彼女の熱が残っている。
(……無理はさせたくない)
そう思いながらも、脳裏には先ほどの感触が鮮明によみがえる。
きつくて、けれど、とろけるように柔らかかった—
あの瞬間、理性が吹き飛びかけた。
(……あれは反則だろう)
けれど今は、急ぐときではない。
彼女の心も体も、丁寧に、大切に、ゆっくりと慣らしていく。
焦らず、決して傷つけずに。
そう決めて、貴之は寝室を後にした。