さよなら、痛みの恋 ― そして君と朝を迎える



(もう、こんな思いさせたくない)

 そこからは、怖がる彼女を支えることに、全力を注いだ。

 引っ越し先の候補を出して、荷物の手伝いをして、弁護士を紹介して。
 どんなに自分が必死になっているかなんて、気づく暇もなかった。

 それくらい――彼女の存在が、俺の心を締めつけていた。

 



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