ねえ、寂しそうにしないでよ
私と蒼の最初の出会いは、少しだけ不器用だけど蒼の愛情が見えた瞬間だった。
最初の出会いは、蒼の誕生日会。年長さんの時、だったかな。


私は、保育園が終わったら、珍しく早く迎えにきたお母さんに手をひかれて、知らないお家に来た。

「今日はねぇ、ママの友達の息子さんの、黒崎くん、フルネームは黒崎蒼くんの誕生日会にお呼ばれしているのよ。」

「くろさきくん?」

「そうよ、とっても優しい子だから、青月もすぐに仲良くなれるわよ。」

色とりどりのバルーンや、豪華なケーキ、そして揃ったおもちゃが、集まりが苦手だった私の心をちょっとだけワクワクさせた。

ソファのすみっこに、つまらなそうな顔をした男の子がちょこん、と座っていた。

プレゼントも揃っているし、いろんな人に来てもらっているし、誕生日なのに、なにが不満なのかな?
そう思って、声をかけてみた。

「ねえ、なんでつまんなそうなおかおなの?」

「だってみんなうるせーし」

「えー、でもおたんじょうび、うれしいでしょ?」

「・・・ケーキは、すき。チョコレートケーキ、すきなんだ。」

「私もケーキすき。」

黒崎くんとの少しのやり取りなのに、少し緊張がほぐれた。
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