ねえ、寂しそうにしないでよ

「・・・ぼくとなかよくしてね。」

不意に、そんな言葉を言われた。

そして、笑みを浮かべながら言ってくれた。
私は、胸の中に温かいものが弾けているような、そんな感覚になった。

「もちろん!」

私はもっと笑みを浮かべて答えた。

しばらく2人で遊んでいたら、お母さんが来て、にっこり微笑みながら言った。

「仲良くなれたようでなによりだわ。蒼くんの誕生日は彼女ができた日になったわね。」

悪戯っぽい笑みだった。

「かのじょ?」

彼女の意味がわからない私は、キョトンと首を傾げて言った。

「ふふふ、そのうちわかるわ。」
お母さんは、いつになく楽しそうだった。

誕生日会が終わって、蒼くんにばいばいって手をふってから、私はお母さんに言った。
「あおくんとなかよくなれたよ!また会いたいなあ」

その後も、ことあるごとに私はそう思っていた。

恋心とか、そういうのはよくわからなかったから、その時は単純に、「あおくん」を友達として見ていたんだと思う。
それに、彼女っていうのも、よくわからなかったから、私は親友って意味を込めて、あおくんの彼女なんだっていろんな人に言っていた。

保育園は違うところだったけれど、小学校は同じだとお母さんに聞いて、私は嬉しくてたまらなかった。

嬉しい気持ちでいっぱいで、それを聞いた時は飛び跳ねて喜んだことを覚えている。


そして、小学校の一番の思い出は、2人きりの屋上だった。
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