甘い生活を夢見る私は、甘くない彼に甘やかされる
『お嬢様のおっしゃるとおり、櫛方様は、”ツクモダ”の顧問弁護士をなされておられた方でございます。増沢にも、同様の連絡が来ておりますので、信頼してもよろしいかと』
「――そう、ありがと」
メールを確認した私は、すぐに、増沢に電話をかけた。
また、詐欺だったら――。
以前も、私の環境をどこで調べたのか、詐欺まがいの――いや、完全に詐欺のカモにされそうなコトは何回もあって、その度に増沢に助けてもらっていた。
『お嬢様、手続きのお話には、増沢も同席してよろしいでしょうか』
「もちろんじゃない。――私じゃ、何が何やらだもん」
『ありがとうございます。では、ご都合に合わせて、こちらから返信いたしておきますので――』
私は、スケジュールを確認されるが――美善さんと、ああなった以上、週末は完全にフリーなのだ。
「早いうちが良いなら、もう、今日明日でも大丈夫。とにかく、土日。平日は、仕事がどれくらい伸びるか、わからないから」
そう伝えれば、一瞬だけ、間が空いた。
「……増沢?」
『――いえ。お嬢様の口から、そのような言葉が聞けるとは……もう、一人前の会社の人間として、仕事を振られているのですね』
「……と、当然じゃない!……もう、二年も経つんだから……」
若干バツが悪くなってしまったのは――何より、その”仕事”を作った原因が自分自身だからだろう。
けれど、私は、それをおくびにも出さず、平常心を保った。
『では、増沢の方より、櫛方様にご連絡しておきます』
「お願いね」
『承知いたしました』
電話を終え、私は、放心状態でベッドに座り込んだ。
――もし、相続がちゃんと行われたら……。
チラリと、部屋を見渡す。
――この、ボロいアパートから、出るコトができるのかな……?
増沢には申し訳無いけれど、さすがに……。
立地条件は申し分無いから、余計に、際立って見えてしまうんだ。
――もし、美善さんと結婚するのなら――ココからは引っ越すのかもしれないけれど……。
そこまで考えて、首を振った。
――でも、今は、考えられない。
――少なくとも――自分の会社を乗っ取ったところの孫と結婚とか、完全に政略結婚。
たとえ――相手が、美善さんでも……。
胸の中でくすぶっているものに目を背けたままじゃ、到底、幸せにはなれないと思うんだ。
「――そう、ありがと」
メールを確認した私は、すぐに、増沢に電話をかけた。
また、詐欺だったら――。
以前も、私の環境をどこで調べたのか、詐欺まがいの――いや、完全に詐欺のカモにされそうなコトは何回もあって、その度に増沢に助けてもらっていた。
『お嬢様、手続きのお話には、増沢も同席してよろしいでしょうか』
「もちろんじゃない。――私じゃ、何が何やらだもん」
『ありがとうございます。では、ご都合に合わせて、こちらから返信いたしておきますので――』
私は、スケジュールを確認されるが――美善さんと、ああなった以上、週末は完全にフリーなのだ。
「早いうちが良いなら、もう、今日明日でも大丈夫。とにかく、土日。平日は、仕事がどれくらい伸びるか、わからないから」
そう伝えれば、一瞬だけ、間が空いた。
「……増沢?」
『――いえ。お嬢様の口から、そのような言葉が聞けるとは……もう、一人前の会社の人間として、仕事を振られているのですね』
「……と、当然じゃない!……もう、二年も経つんだから……」
若干バツが悪くなってしまったのは――何より、その”仕事”を作った原因が自分自身だからだろう。
けれど、私は、それをおくびにも出さず、平常心を保った。
『では、増沢の方より、櫛方様にご連絡しておきます』
「お願いね」
『承知いたしました』
電話を終え、私は、放心状態でベッドに座り込んだ。
――もし、相続がちゃんと行われたら……。
チラリと、部屋を見渡す。
――この、ボロいアパートから、出るコトができるのかな……?
増沢には申し訳無いけれど、さすがに……。
立地条件は申し分無いから、余計に、際立って見えてしまうんだ。
――もし、美善さんと結婚するのなら――ココからは引っ越すのかもしれないけれど……。
そこまで考えて、首を振った。
――でも、今は、考えられない。
――少なくとも――自分の会社を乗っ取ったところの孫と結婚とか、完全に政略結婚。
たとえ――相手が、美善さんでも……。
胸の中でくすぶっているものに目を背けたままじゃ、到底、幸せにはなれないと思うんだ。