甘い生活を夢見る私は、甘くない彼に甘やかされる
LIFE.1
徐々に減っていく総務部の人間を見送りながら、私は、肩を最大限落とし、再びパソコンを立ち上げる。
「終わるまで待ってるからな」
「……わかってますー……」
「ああ、あと、追加で入れる項目も、付箋つけておいたぞ」
私は、ギョッとして書類をめくると、その数、約二十個ほど。
「鬼!!」
「当然だ。誤字脱字満載の上、抜けてるモンばかりじゃねぇか。まだ、追加するか」
「ご遠慮しますー!」
日水先輩は、あきれながらも、私の真後ろの自分の席で、何かしらの作業を再開させた。
私は、肩越しに振り返ると、恐る恐る尋ねる。
「……あのぉ……彼に、連絡入れても……」
「ああ、この場でやっておけ。どうせ、スマホは持ち込んでるだろ」
逃亡防止とばかりに言われ、ため息をつきながら、うなづいて返す。
私は、デスクの引き出し一番上から、可愛い癒しキャラのシールを飾ったスマホを取り出した。
――ごめんなさい。仕事が長引いてしまって。
それだけ返せば、速攻で、じゃあ、さようなら、だ。
私は、半泣きでスマホを引き出しに戻すと、力の限りに閉めた。
――アンタ、コレで、妨害するの、もう十回目よ⁉
そして、恨み言を延々と心の中で唱え、画面を睨みつけると、赤ペン添削された書類を見やる。
私が先輩に差し出してから、片付けをしたり、引継ぎを確認したりして、帰り支度を終えるまで約七分。
その間に、十五ページにも渡る議事録に目を通し、修正や、追加まで入れたのか。
――最初に会った時には、こんなにデキる人とは思わなかったんだけどなぁ……。
ため息を延々とつきながら、どうにかこうにか議事録を修正し、追加項目を入れていく。
それを、デスクで待ち構えている日水先輩に差し出したのは――十九時過ぎだった。
「――……OK。お疲れ」
「……ハイ……お先です……」
一通り目を通した先輩にOKを出されたが、私の心はどん底まで沈んでいる。
ようやく、デートまでこぎつけられたから、張り切っていたのに――……。
私は、心の中で半泣きになりながら、総務部を出る。
合コンに誘ってもらえるほどの交友関係が無い私には、彼氏を見つけるのは、マチアプ一択。
そこで、探しに探して、ようやく見つけた最初の彼との、初めてのデートは――
日水先輩にぶち壊された。
――津雲田、お前、明日の会議資料担当だっただろ。
デートで頭がいっぱいになっていた私は、一瞬で頭と心臓が冷えた。
慌てて残業。
そして、ようやく終わって連絡しようとしたら、彼には、既にブロックされていたのだ。
その時は、自分のミスだから――そう思っていたのに。
――明日の、営業部のセミナー会場準備は終わってんのか。
――今度の会議の資料、まだ、用意してねぇのかよ。
――お前は、見直すという事をしねぇのか!
――ったく――よく、こんな内容で提出できたな。
ああだこうだとケチをつけられ、結局、残業。
まあ、つけられる文句は、納得してしまうんだけど――言い方は、ほとんど、パワハラ。
私だって、一応、社会人として最低限やる事はやっているつもりなのに。
――……ホント……私に、何か恨みでもあるんじゃないの、あの男……。
「終わるまで待ってるからな」
「……わかってますー……」
「ああ、あと、追加で入れる項目も、付箋つけておいたぞ」
私は、ギョッとして書類をめくると、その数、約二十個ほど。
「鬼!!」
「当然だ。誤字脱字満載の上、抜けてるモンばかりじゃねぇか。まだ、追加するか」
「ご遠慮しますー!」
日水先輩は、あきれながらも、私の真後ろの自分の席で、何かしらの作業を再開させた。
私は、肩越しに振り返ると、恐る恐る尋ねる。
「……あのぉ……彼に、連絡入れても……」
「ああ、この場でやっておけ。どうせ、スマホは持ち込んでるだろ」
逃亡防止とばかりに言われ、ため息をつきながら、うなづいて返す。
私は、デスクの引き出し一番上から、可愛い癒しキャラのシールを飾ったスマホを取り出した。
――ごめんなさい。仕事が長引いてしまって。
それだけ返せば、速攻で、じゃあ、さようなら、だ。
私は、半泣きでスマホを引き出しに戻すと、力の限りに閉めた。
――アンタ、コレで、妨害するの、もう十回目よ⁉
そして、恨み言を延々と心の中で唱え、画面を睨みつけると、赤ペン添削された書類を見やる。
私が先輩に差し出してから、片付けをしたり、引継ぎを確認したりして、帰り支度を終えるまで約七分。
その間に、十五ページにも渡る議事録に目を通し、修正や、追加まで入れたのか。
――最初に会った時には、こんなにデキる人とは思わなかったんだけどなぁ……。
ため息を延々とつきながら、どうにかこうにか議事録を修正し、追加項目を入れていく。
それを、デスクで待ち構えている日水先輩に差し出したのは――十九時過ぎだった。
「――……OK。お疲れ」
「……ハイ……お先です……」
一通り目を通した先輩にOKを出されたが、私の心はどん底まで沈んでいる。
ようやく、デートまでこぎつけられたから、張り切っていたのに――……。
私は、心の中で半泣きになりながら、総務部を出る。
合コンに誘ってもらえるほどの交友関係が無い私には、彼氏を見つけるのは、マチアプ一択。
そこで、探しに探して、ようやく見つけた最初の彼との、初めてのデートは――
日水先輩にぶち壊された。
――津雲田、お前、明日の会議資料担当だっただろ。
デートで頭がいっぱいになっていた私は、一瞬で頭と心臓が冷えた。
慌てて残業。
そして、ようやく終わって連絡しようとしたら、彼には、既にブロックされていたのだ。
その時は、自分のミスだから――そう思っていたのに。
――明日の、営業部のセミナー会場準備は終わってんのか。
――今度の会議の資料、まだ、用意してねぇのかよ。
――お前は、見直すという事をしねぇのか!
――ったく――よく、こんな内容で提出できたな。
ああだこうだとケチをつけられ、結局、残業。
まあ、つけられる文句は、納得してしまうんだけど――言い方は、ほとんど、パワハラ。
私だって、一応、社会人として最低限やる事はやっているつもりなのに。
――……ホント……私に、何か恨みでもあるんじゃないの、あの男……。