甘い生活を夢見る私は、甘くない彼に甘やかされる
LIFE.15
翌朝、ボウっとしながらベッドから起き上がり、私は、ため息をつく。
――ああ……会社、行きたくないな……。
先輩を避けて帰った罪悪感が、徐々に頭をもたげてきて、顔を合わせるのも気まずくなってきた。
でも――仮病を使って休んだところで、逆に、先輩が様子を見に来てしまうかもしれない。
そうなったら、逃げ場なんて無いんだから。
私は、ベッドから下りると、見やすくなったクローゼットを開けた。
今日の服を、と、考え始めたら、いつの間にやら、部屋の中の半分は服だらけ。
「ヤダ、先輩に怒られ――……」
思わず叫びかけ、口を閉じた。
――……もう……一緒に片付けてくれるなんて、無いんだよね……。
あの時の、先輩の気まずそうな表情を思い出し、涙目になる。
それを無理矢理こすって止めると、足元に落ちていたカットソーとスカートを手に取った。
もぞもぞと、支度をいつもの倍以上の時間をかけて終えると、もう、いつものバスの時間は過ぎていた。
「……行かなきゃ……」
結局、朝食を食べる事も無く、次のバスに乗ろうと、私は部屋を出た。
会社に到着したのは、始業ギリギリ。
私は、できる限りの早足で総務部に向かう。
そして、エレベーターから下り――硬直した。
「おはよう、津雲田」
「――……お、はよう……ございます……。日水先輩……」
目の前には、待ち構えていたかのように、先輩が仁王立ちだ。
私は、頭を下げると、その脇をすり抜けようとし――腕を取られた。
「な、何ですか」
「――いや、昨日――……」
先輩は、少しだけ言いにくそうに口を開く。
と、始業のベルが響き、私は、一瞬だけ力が緩んだ先輩の手から逃れた。
「津雲田」
「あ、あの、もう仕事が……」
「――……じゃあ、昼。逃げるなよ」
「え、あ」
それだけ言うと、先輩は、スタスタと部屋に入っていく。
私は、その後ろ姿を見送り、ため息をついた。
――……逃げるなって……無理でしょ。
心の中でボヤくと、私は、自分の席に着く。
そして、パソコンを立ち上げ、社内メールに目を通した。
「――え」
基本、仕事は、朝イチに全体のタスクリストと担当が送られていて、期限や細かい指示が並んでいる。
そして、それに沿って、総務部内が回っていて――動かしているのは、主任である先輩だ。
私は、思わず、肩越しに先輩を振り返ろうとし、どうにか踏ん張った。
ここで、何か話すきっかけを作ったら、逃げられないような気がして。
――でも――……何で……池之島さんと、資料整理にあてられているの?
そう思っていると、頭上から声がかかった。
「――おはよう、津雲田さん。――さっさと片付けましょ」
「――……お……おはよう……池之島さん……」
彼女は、持っていた箱を抱え直すと、さっさと部屋を出て行く。
私は、急いで席を立つと、追いかけた。
――ああ……会社、行きたくないな……。
先輩を避けて帰った罪悪感が、徐々に頭をもたげてきて、顔を合わせるのも気まずくなってきた。
でも――仮病を使って休んだところで、逆に、先輩が様子を見に来てしまうかもしれない。
そうなったら、逃げ場なんて無いんだから。
私は、ベッドから下りると、見やすくなったクローゼットを開けた。
今日の服を、と、考え始めたら、いつの間にやら、部屋の中の半分は服だらけ。
「ヤダ、先輩に怒られ――……」
思わず叫びかけ、口を閉じた。
――……もう……一緒に片付けてくれるなんて、無いんだよね……。
あの時の、先輩の気まずそうな表情を思い出し、涙目になる。
それを無理矢理こすって止めると、足元に落ちていたカットソーとスカートを手に取った。
もぞもぞと、支度をいつもの倍以上の時間をかけて終えると、もう、いつものバスの時間は過ぎていた。
「……行かなきゃ……」
結局、朝食を食べる事も無く、次のバスに乗ろうと、私は部屋を出た。
会社に到着したのは、始業ギリギリ。
私は、できる限りの早足で総務部に向かう。
そして、エレベーターから下り――硬直した。
「おはよう、津雲田」
「――……お、はよう……ございます……。日水先輩……」
目の前には、待ち構えていたかのように、先輩が仁王立ちだ。
私は、頭を下げると、その脇をすり抜けようとし――腕を取られた。
「な、何ですか」
「――いや、昨日――……」
先輩は、少しだけ言いにくそうに口を開く。
と、始業のベルが響き、私は、一瞬だけ力が緩んだ先輩の手から逃れた。
「津雲田」
「あ、あの、もう仕事が……」
「――……じゃあ、昼。逃げるなよ」
「え、あ」
それだけ言うと、先輩は、スタスタと部屋に入っていく。
私は、その後ろ姿を見送り、ため息をついた。
――……逃げるなって……無理でしょ。
心の中でボヤくと、私は、自分の席に着く。
そして、パソコンを立ち上げ、社内メールに目を通した。
「――え」
基本、仕事は、朝イチに全体のタスクリストと担当が送られていて、期限や細かい指示が並んでいる。
そして、それに沿って、総務部内が回っていて――動かしているのは、主任である先輩だ。
私は、思わず、肩越しに先輩を振り返ろうとし、どうにか踏ん張った。
ここで、何か話すきっかけを作ったら、逃げられないような気がして。
――でも――……何で……池之島さんと、資料整理にあてられているの?
そう思っていると、頭上から声がかかった。
「――おはよう、津雲田さん。――さっさと片付けましょ」
「――……お……おはよう……池之島さん……」
彼女は、持っていた箱を抱え直すと、さっさと部屋を出て行く。
私は、急いで席を立つと、追いかけた。